【 神戸製鋼所 】
株式会社神戸製鋼所は、同社のグループ会社である株式会社神鋼環境ソリューション、大栄環境株式会社とそのグループ会社である DINS 関西株式会社、三菱ガス化学株式会社、三菱化工機株式会社の 5 社にて提案した「廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業」が、環境省「令和 4 年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」*1 に採択されたと発表しました。
世界では海洋プラスチック問題が社会問題化するなど環境保護等の観点から、プラスチックのリサイクル方法確立の必要性が急速に高まっており、同事業はこれまで廃棄されていたプラスチックについて、ケミカルリサイクルによる資源循環システム構築を目指すものです。
【実証事業体制・各社役割】
現在、実用化されている廃プラスチックのリサイクル技術は、リサイクル品の品質を確保するため、原料に一定の純度・清浄度が求められます。純度・清浄度が低く、リサイクルが困難な雑多なプラスチック(以下、雑多な廃プラ)は、単純焼却・熱利用焼却・埋立てにより処理されていますが、プラスチック資源の循環と脱炭素化をいかに両立していくかが大きな課題となっています。
上記のような課題に対し、流動床ガス化技術を有する神鋼環境ソリューション、廃プラのケミカルリサイクルを推進する大栄環境及び DINS 関西、水素製造・合成ガス製造技術を有する三菱化工機及び環境循環型メタノール構想を推進する三菱ガス化学は、循環型社会の構築に貢献するために、廃プラスチックの有効資源化を進めたいという共通の思いのもと、雑多な廃プラであっても処理可能な流動床式ガス化技術をベースに、雑多な廃プラをガス化して得られた合成ガスからメタノールを合成する、国内初のケミカルリサイクル技術の構築を目指し、この 2 月に共同実証プロジェクトを立ち上げました。
メタノールは幅広い用途への展開が可能な基幹化学品ですが、現在は化石資源である天然ガスを原料とし、全量輸入に頼っています。この技術により廃プラスチックを原料として「環境循環型メタノール*2」を製造すると、例えば廃プラスチック 6 万 t を処理した場合、約 4 万 5 千 t のメタノールが製造でき、従来のメタノール製法に比べ約 10 万 t の CO2 削減が可能となります。
同実証においては、以下を可能とするプロセスを構築することを目標とします。
1)金属等の異物が混入した性状変動が大きい雑多な廃プラが安定的に処理できること
2)生成した合成ガスから製造する環境循環型メタノールが市場に受け入れられる価格を実現すること
5 社は同実証事業を通じ、持続可能な開発目標(SDGs)を支援し、これまで多くの CO2 を排出してきた雑多な廃プラを環境負荷の低いクリーンな化学品として動脈産業に還流することで循環型社会構築に寄与し、カーボンニュートラルの実現に向けて貢献します。
*1)令和4年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業
化石資源由来のプラスチックの代替素材について、試作品の製作・評価などの手法により、製造工程及びリサイクル工程等の省 CO2 化を図るとともに、従来リサイクルが困難であった複合素材プラスチックに対するリサイクル技術・システムの高度化を図るなど、社会実装にむけた技術的課題を解決し、事業化に向けて必要な実証を行うもの。
*2)環境循環型メタノール
回収 CO2、再生可能エネルギー由来水素あるいはリサイクル品を原料に用いたメタノール

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