核融合のHelical Fusion、KDDI・ニコンから資金を調達

核融合のHelical Fusion、KDDI・ニコンから資金を調達

ヘリカル型核融合炉の開発を目指す株式会社Helical Fusion(本社:東京都中央区、代表取締役:田口昂哉・宮澤順一)は、KDDI Green Partners Fund および Nikon-SBI Innovation Fund を引受先として、資金調達を実施したことを発表しました。今回の資金調達で、世界初の定常核融合炉開発を加速します。

■ Helical Fusionについて

Helical Fusion(ヘリカルフュージョン)は磁場閉じ込め方式で核融合エネルギーの社会実装を目指すスタートアップです。 世界では60年以上をかけて様々な核融合方式が開発されています。
日本では、DNA に似た二重らせん構造の超伝導ヘリカルコイルを用いて高温のプラズマを安定に閉じ込めるヘリカル方式が生まれ、大きく育まれてきました。我々はこのヘリカル方式にさらなる独自の最先端技術を取り入れた、世界初の定常核融合炉の開発を目指します。

■Helical Fusion:田口昂哉(CEO)氏 のコメント

KDDI様およびニコン様から、核融合および弊社の事業にご期待頂き今回ご出資頂ける運びとなったことを大変嬉しく思います。今回調達した資金をもとに核融合炉の社会実装に必要な最新鋭の技術開発および事業開発を加速化します。 また、弊社は引き続き事業・資本面でのパートナー様との提携を拡大致します。ご関心をお持ち頂ける方は是非お声かけ下さい。


■ 出資者からのコメント
・最勝寺 奈苗氏(KDDI株式会社、執行役員 コーポレート統括本部 副統括本部長 兼 サステナビリティ経営推進本部長)

カーボンニュートラル実現や経済安全保障への政策的要請が高まる一方で、世界のエネルギー需要は増加を続けています。2050年カーボンニュートラル目標を達成するためには新しいエネルギー源の創出が不可欠です。Helical Fusion社は、世界トップレベルの技術を結集し、次世代のクリーンエネルギー源として期待が集まる核融合エネルギーの社会実装を日本発の技術であるヘリカル型核融合炉によって実現しようしています。Helical Fusion社を支援することは、KDDI Green Partners Fundの目標・役割に合致するものと考え出資を決定しました。核融合エネルギーの認知度拡大および社会的受容性向上に向けたサポートを通じてHelical Fusion社の事業支援を行い、共に社会のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。


・居村一彦氏(株式会社ニコン 社長室副室長 兼 投資企画部長)

核融合発電は、地球環境問題を解決するクリーンなエネルギー源として、近年、より高い注目を集めるようになってきました。実用化に向けて大規模な技術開発が必要とされる中、核融合発電に取り組むスタートアップの活動は、大きい推進力につながる事が期待されます。ニコンは、今年4月に発表した中期経営計画の中で、2030年に向けた将来テーマの一つとして「エネルギー」を取り上げました。核融合スタートアップへの資金提供に加え、技術的なコラボレーションも検討していきます。化石燃料発電から次世代エネルギーへのシフトを支援する事により、気候変動などの社会的な課題の解決に貢献していきます。


・別所 隆之氏(SBIインベストメント株式会社CVC事業部 部長)

核融合発電は非化石燃料であり、かつ原子力発電とは異なる反応方式のため環境への負荷も少ないクリーンなエネルギー源として期待されており、その実現は長年「人類の夢」と言われてきましたが、世界中の長年の研究開発の成果によって、近年世界中のスタートアップが開発を加速しており、夢の実現が現実味を帯びてきました。中でも、Helical Fusion社は核融合発電ならびに周辺エンジニアリングの開発を進めており、日本で蓄積されてきた核融合研究に関する豊富な知見を有する世界で最も進んでいるスタートアップです。SBIインベストメントは環境エネルギー分野にも注力しており、社会実装への期待値が最も高いと評価し出資を決定しました。今回の資金調達を機に成長を加速し、核融合の実用化に貢献して頂くことを期待しております。


■ 会社概要
 会社名  : 株式会社Helical Fusion
 事業内容 : 商用核融合炉の設計および技術開発
 設立   : 2021年10月
 URL  : https://www.helicalfusion.com


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