日本郵船とJERA、燃料アンモニア輸送に向けた協業覚書を締結

日本郵船とJERA、燃料アンモニア輸送に向けた協業覚書を締結

日本郵船株式会社と株式会社JERAは、JERAが2020年代後半より商用運転開始を目指している碧南火力発電所向けをはじめとした燃料アンモニアの輸送に向けて検討を開始することとし、11月21日、覚書を締結したと発表しました。

発電燃料として利用される大規模なアンモニアをより低廉なコストで調達するためには、輸送船舶の大型化が必要となります。今回の覚書は、大型アンモニア輸送船の開発、安全な輸送体制の構築などを共同で検討するもので、具体的には次の項目について検討することを定めたものです。

●国内火力発電所および受入基地に適した燃料アンモニア輸送船の開発
●燃料アンモニア輸送・受入体制の構築
●船舶燃料としてアンモニアを使用した推進機関の実装および航行
●燃料アンモニア受入に関するルール形成に向けた関係各所へのはたらきかけ

日本郵船は2021年に外航海運事業におけるGHG削減長期目標「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」を掲げ、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料アンモニアのバリューチェーン構築に向けた取り組みを行っています。世界に先駆けて新たなバリューチェーンを構築するにあたり、輸送船の標準化と法規制等のルール形成は燃料アンモニアの大規模輸送を実現するうえで欠かせません。輸送船の標準化については、同社のプロジェクトエンジニアリングチームをはじめとする経営資源を活用し、コンセプト段階から最適船型を検討・開発していきます。法規制等のルール形成については、アンモニア燃料アンモニア輸送船(AFAGC: Ammonia-fueled Ammonia Gas Carrier)やアンモニア燃料タグボートの開発と社会実装の取り組みを通して得られた知見をもとに関係各所へのはたらきかけを進めていきます。なお、アンモニア燃料アンモニア輸送船およびアンモニア燃料タグボートの開発は、いずれも国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業(注)の公募採択を受けたものです。

日本郵船グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。2022年3月24日には、2021年度のESG経営の具体的な取り組みと施策、超長期視点での持続可能な成長戦略を紹介する「NYKグループESGストーリー 2022」(※※)を発表しました。また、当社は、アンモニア・水素をはじめとする次世代燃料開発などのグリーンビジネスを通じた、低・脱炭素に向けた新しい価値創造の取り組みを対象としたESGブランド「NYK GREEN EARTH」を展開しており、今回の取り組みもその一環です。当社グループはESG経営を力強く推し進めるべく、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進します。

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