関西電力が相生バイオマス発電所への燃料輸送に電気推進船を導入

神戸

株式会社上組、関西電力株式会社、株式会社e5ラボは、相生バイオマス発電所※1 への燃料の輸送において電気推進船を1隻導入することに合意したと発表しました。

今回の電気推進船導入は、近年、課題となっているサプライチェーン全体におけるゼロカーボン化に向けた取組みの一つです。導入する電気推進船は、小型発電機と大容量蓄電池を備え、停泊時の積荷・荷揚げ等の作業は蓄電池に貯めた電気を使用し、従来のディーゼル船と比べて、運行時のCO2排出量を最大50%削減※2します。

運航開始は2023年5月を予定しており、神戸港から当該発電所まで運行します。バイオマス燃料を輸送する貨物船として電気推進船を導入するのは世界初となります。

上組では、これまで港湾に設けた倉庫屋根での太陽光発電設備の導入など、国土交通省が推進する「カーボンニュートラルポート」実現に向けた取組みを行っており、今回の内航貨物輸送サービスへの電気推進船の導入もその一環であり、今後も継続していく考えです。

関西電力は、陸・海・空のモビリティ分野の電化を推進しており、本件は、2020年10月の関西電力とe5ラボの業務提携後、両社が電気推進船の活用を提案し、導入が決定した初めての案件となります。

3社は、引き続き、日本の海運業界の持続的発展およびゼロカーボン社会の実現に貢献します。

※1: 関西電力のグループ会社である「相生バイオエナジー株式会社」が、2023年1月の運転開始を目指し、燃料を重油・原油からバイオマスへ転換する工事を進めている。

※2: 削減量は400t-CO2/年。




◆ 次世代EVハイブリッド船のスペック ◆
船 種 一般貨物船(499総トン)
企 画 e5ラボ
デザイン 三菱造船
建造造船所 本田重工業
オーナー 旭タンカー
運 航 上組海運
全 長 71.89m
12m
航海速力 最大運航速力11ノット、通常運航速力10ノット
発電機容量 500kW×2基
バッテリー容量 440kWh
載貨重量 1,600トン
竣工予定 2023年4月


◆ ディーゼル船との性能比較(同総t数での比較)◆
燃料費 最大50%削減
CO2排出量 最大50%削減(削減量は400t-CO2/年)
排気、黒煙、匂い、騒音、振動 大幅に削減


外観イメージ



航路イメージ



<ハイブリッドEVシステム>
発電機と大容量蓄電池との組み合わせによりモーターを駆動する。

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