【 日本郵船 】 LNG燃料タグボート「魁」
日本郵船は、アンモニア燃料タグボートの改造工事契約を同社グループの京浜ドック株式会社と締結したと発表しました。同じく同社グループである株式会社 新日本海洋社が東京湾内で運航するLNG(液化天然ガス)燃料タグボート「魁」をアンモニア燃料仕様に改造し、2024年度の竣工を目指します。
この取り組みは、日本郵船株式会社、株式会社IHI原動機の2社が2021年10月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業(注1)の公募採択を受けた「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」の一環で行っているものです。アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されており、さらにアンモニアの原料となる水素にCO2フリー水素(注2)を活用することで燃料のライフサイクルまで考慮したゼロエミッション化の実現が可能と言われています。
アンモニアを船舶用燃料とすることにより、航海中の温室効果ガス(Greenhouse Gas、以下「GHG」) 排出量を従来よりも大幅に削減することが可能となるため、日本郵船株式会社、株式会社IHI原動機の両社は早期の社会実装を目指して研究開発を進めています。開発にあたり、アンモニアを燃料として使用する際に様々な設計上の課題がありましたが、両社は従来の船体の大きさを変えることなくそれらを克服し、2022年7月に日本海事協会(ClassNK)より基本設計承認(AiP)を取得しています。
今後は、2023年度中に改造工事を開始し、2024年度の横浜港における実証運航の実現に向けて取り組みます。
LNG燃料タグボート「魁」 概要
全長: 37.20m
全幅: 10.20m
型深さ: 4.40m
総トン数: 272トン
船主: 日本郵船株式会社
船籍: 日本
アンモニア燃料タグボートイメージ
(注1) グリーンイノベーション基金事業
「2050年カーボンニュートラル」に向けてエネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションといった現行の取組を大幅に加速するため、NEDOに2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業等に対して、最長10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する基金制度。グリーン成長戦略において実行計画を策定している重点14分野を中心に支援が行われます。
(注2)CO2フリー水素
CO2を発生することなく生成した水素。CO2フリー水素を生成する方法として、再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱等)を活用して水素を製造する方法や、化石燃料(天然ガス・石炭等)を活用し、発生したCO2を回収・貯蔵して水素を製造する方法などがあります。上記の方法により生成された水素を原料とするアンモニアはCO2フリーアンモニアとされ、燃料や水素のエネルギーキャリアとしての活用が期待されています。

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