ダイヤゼブラ、東京電力と「家庭向けV2H・蓄電池・太陽光発電制御の多機能パワコン」を共同開発

多機能パワコンシステム

東京電力ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:小早川 智明)とダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 CEO:小野 有理)の中核企業であるダイヤゼブラ電機株式会社は、太陽光発電(PV)、電気自動車(EV)および蓄電池の3つの電源を制御するパワーコンディショナ※1、V2Hユニット※2 および蓄電池ユニットを組み合わせた「多機能パワコンシステム」を共同開発したと発表しました。

近年の相次ぐ自然災害への備えとして、家庭においても、非常時に安定した電源を確保することが課題です。その解決策として同システムは、PVの発電量に応じて蓄電池、EVへの充電・放電をパワーコンディショナが制御することにより、非常時にさまざまな電源からご家庭内へ継続的に電力を供給することができます。

同システムは、クラウドを介したAI制御により、PVの発電状況の監視やEVも含めた家庭での電気の使用状況に合わせた電気料金の最小化など、お客さまの経済メリットが最大となるようにV2Hユニットと蓄電池ユニットの充電・放電を自動制御します。さらに、停電や電池残量などの動作状態をスマートフォンやタブレット端末から確認できるほか、音声でお知らせする機能も搭載しています。

V2Hユニットは、ダイヤゼブラ電機の特許技術である、高効率を維持しながら小型化を達成する絶縁双方向電力変換技術※3 (DAB: Dual Active Bridge)を採用しています。これにより、業界最薄・最軽量と省スペースで設置可能となったほか、蓄電池ユニットには、家庭用蓄電池として初めて、26Ahのチタン酸リチウムイオン電池※4が採用され、長寿命性能・低温性能が向上しています。なお、各機器の特徴は以下の通りです。


多機能パワコンシステム模式図
多機能パワコンシステム模式図

<各機器の特徴>

●パワーコンディショナ

・3つの電源(PV、EV、蓄電池)からの入力に対応し、非常時にも継続的に電力供給
・音声でお知らせする「音声モニタ」を付属
・蓄電池に加えてV2Hの充電・放電をAI制御することで、電気料金を最小化


型名:パワーコンディショナ EHJ-S55MP3B-TE
型名:EHJ-S55MP3B-TE


●V2Hユニット

・最大6kWの倍速充電を実現し、停電時にはEVから5.5kWの電力を供給可能
・業界最薄型(198mm)・最軽量(約60kg)で省スペースでの設置を実現


蓄電池ユニット 型名:EOJ-LB70-TS-TE
型名:EOJ-LB70-TS-TE


●蓄電池ユニット

・高い安全性を有する株式会社東芝製チタン酸リチウムイオン電池(26Ah)を採用しており、26Ahセルは家庭用蓄電池で初採用
・従来のリチウムイオン電池に比べ長寿命(20年で電池容量70%以上)
・低温性能にも優れており(-20℃の低温環境でも定格充放電が可能)、防災の観点からも寒冷地など幅広い温度環境下での使用に適する


V2H ユニット 型名:EOJ-D60EV-TE
型名:EOJ-D60EV-TE


同システムは2022年度中の市場投入を目指しています。それに先立ち、住宅メーカー・工務店等の事業者などを主な対象とした「第15回PV EXPO春<国際太陽光発電展>※5」にて、同システムは参考展示される予定です。

東京電力HDとダイヤゼブラ電機は、開発を通じ、カーボンニュートラルを志向した家庭におけるレジリエンス強化の実現ならびにEVの普及促進を目指しています。


※1 3つの電源を制御するパワーコンディショナ
直流電源としてPV・EV・蓄電池を接続し、家庭の電気設備に交流電力を供給する機器

※2 V2Hユニット
CHAdeMO方式を採用したVehicle to Home(V2H)unitを指し、EV搭載の蓄電池から家庭の電気設備へ電気を供給する機器

※3 絶縁双方向電力変換技術
直流電圧を所定の電圧から別の電圧へ変換する技術で、従来は一方向の電力変換だが、双方向で電力変換を可能にする技術

※4 チタン酸リチウムイオン電池
負極にチタン酸リチウムを採用したリチウムイオン電池

※5 第15回PV EXPO春<国際太陽光発電展>
2022年3月16日(水)~18日(金)東京ビッグサイトにて開催(スマートエネルギーWeek【春】2022内 主催:RX Japan株式会社)



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