出光、UAEから四日市へブルーアンモニア輸送実証試験を実施

四日市製油所に搬入されたブルーアンモニアのISOタンクコンテナ

出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:木藤 俊一)は、アラブ首長国連邦の国営石油会社Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC)から同国で製造されたブルーアンモニアを購入し、出光グループの昭和四日市石油株式会社(本社:三重県四日市市、代表取締役:前澤 浩士)四日市製油所への国際輸送・納入を完了したと発表しました。

ブルーアンモニアのISOタンクコンテナ※1 での国際輸送実証試験は、国内企業において先駆的な試みであり、同社はCO2フリーアンモニア・サプライチェーン構築に向けた知見の蓄積を目的とし、初めて実施しました。同社は、今後も国内外の様々な企業との連携を通し、CO2フリーアンモニアのサプライチェーンの早期構築を目指し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

今回輸送したブルーアンモニアは、ADNOCの生産する天然ガスからFertiglobe社(ADNOCとオランダOCI社の合弁グループ会社)がRuwais工業団地内のFertil工場で製造したもので、その際に排出されるCO2は分離回収しEOR※2 により貯留されています。ISOタンクコンテナによる輸送を経て四日市製油所で受け入れた後は、ケミカル用途として使用します。

ADNOCと出光はこれまで45年にわたる原油取引などを通し、良好な関係を築き上げてきました。両社はこの関係を基に、製造時に排出されるCO2を回収・貯留したブルーアンモニアという新たなエネルギーのサプライチェーン構築を目指し、今回の国際輸送実証を協力して実施しました。

出光は、中期経営計画(2020~22年度) において既存の製造拠点を新たな低炭素・資源循環エネルギーハブへと転換する「CNXセンター構想」を掲げています。今回の国際輸送の経験蓄積を踏まえ、今後も国内外の様々な有力企業との連携を通して、同社設備でのアンモニアの燃料利用や同社顧客への燃料アンモニア供給を目指します。そして、自社操業に伴うCO2排出量削減を推進するとともに、お客様のCO2排出量低減に貢献すべく、低炭素エネルギーの安定供給に向けた取り組みを実施します。


四日市製油所
四日市製油所全景

※1 ISO(国際標準化機構: International Organization for Standardization)規格に則り設計、製造され、国内外を問わず安全に繰り返し利用できる複合一貫輸送の出来る液体輸送容器。

※2 石油増進回収(Enhanced Oil Recovery)。原油増産技術の一つで、CO2を油層(貯留層岩)に圧入し油田地下の油の性状を変化させることで、原油回収率が大幅に改善される。

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