日立造船、スイスのごみ焼却発電施設内に水素の製造施設を建設へ

スイスのごみ焼却発電施設

日立造船株式会社の 100%子会社で、ごみ焼却発電施設の設計、建設、メンテナンスなどを手がける Hitachi Zosen Inova AG(スイス、以下、HZI)は、スイス北部のアールガウ州 Buchs にあるごみ焼却発電施設に、水素の製造施設を建設すると発表しました。2022 年 6 月に着工し、23 年春の本格稼働を予定しています。

スイスは、カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーへのエネルギー転換を進めており、水素の活用を推進しています。

今回、HZI は、Aarau-Lenzburg 地域廃棄物処理組合(スイス)と共同で、ごみ焼却発電プラントで発電した電力を使用して水素を製造するプロジェクトをスイスで初めて実施します。

同プロジェクトにおいて、HZI は施設の建設を担当し、建設後は 3 年間施設を所有し、運営業務も行います。

同施設の製造能力は 550 Nm3 / h で、製造した水素はスイスのガス事業会社の Messer Schweiz AG が買い取り、産業用途および地方公共交通機関や自家用車の燃料として供給されます。稼働後は、約 10 〜 15 GWh の電力に相当する約 200 t /年の水素が製造される予定です。これは、水素自動車が約 2,000 万 km 走行する量(約 1,000 台分)に相当します。

日立造船グループは、今後もクリーンエネルギー技術を通じて、国連サミットで採択された SDGs(持続可能な開発目標)の達成や循環型社会の実現に取り組んでいきます。

本施設の概要
水素製造量  : 約 200 t / 年
建設地    : スイス北部 アールガウ州 Buchs
本格稼働予定 : 2023年 春

スイスのごみ焼却発電施設
同プロジェクトで利用するごみ焼却発電施設


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