日本郵船など、浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備搭載バージを共同研究

日本郵船など、浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備搭載バージを共同研究

日本郵船株式会社は、同社と日本シップヤード株式会社、一般財団法人日本海事協会、株式会社IHIの4者が、浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備搭載バージ (A-FSRB: Ammonia Floating Storage and Regasification Barge)の実用化に向け、共同研究開発契約を締結したと発表しました。4者は世界初となるアンモニア専用の浮体式貯蔵・再ガス化設備を搭載したバージ(注1)の研究開発に取り組みます。

1. 背景

アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されており、国内ではCO2排出の削減に寄与する革新的な次世代火力発電技術として石炭火力発電所でのアンモニア混焼発電に向けた技術開発が進められています。一方で、アンモニアを既存の火力発電所で使用するに際し、新たな陸上設備(貯蔵タンク、再ガス化設備、等)の用地確保の問題や、その初期投資額の大きさといった課題があります。

A-FSRBは産地から液体として輸送されたアンモニアを洋上で受け入れて貯蔵し、需要に応じてアンモニアを温めて再ガス化し陸上のパイプラインへ送出できる洋上浮体設備ですが、陸上にアンモニア貯留基地を建設するのと比べ、低コストかつ短期間に導入可能で、陸上設備の代替としてA-FSRBを活用することで、燃料アンモニアの早期の安定供給に寄与することが期待されます。


2.共同研究開発の概要

2020年8月に日本郵船、ジャパン マリンユナイテッド株式会社(当時)、日本海事協会の3者でA-FSRBの共同研究開発をスタートさせましたが、今後ますます燃料アンモニアの需要拡大が見込まれる中で、アンモニア関連機器メーカーであるIHIを加えて改めて共同研究開発契約を締結しました。



【共同研究開発に関する各者の取組み】
日本郵船 ・プロジェクトマネジメント
・ベースデザインの決定
・法規対応の検討
・経済性評価
日本シップヤード ・船型開発/機器配置検討
・Utility機器 検討
日本海事協会・安全性に関する技術検証(規則適合確認)
・ガイドラインの整備
IHI・アンモニアの払出/気化プロセス作成
・気化プロセスに必要な機器情報の提供
・必要なUtility機器の情報提供

※プラント設備の運転に必要な電気などを供給する設備



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