大林組、洋上風力発電所建設用 SEP「柏鶴(はっかく)」が完成

大林組、洋上風力発電所建設用 SEP「柏鶴(はっかく)」が完成


大林組と東亜建設工業が、共同で建造を行っていたSEP(Self Elevating Platform:自己昇降式作業台船)が、2023年4月に完成しました。

両社は、国内の洋上風力発電所建設市場拡大に対応するため、2018年にSEPの建造に着手しました。途中、洋上風力発電設備の大型化に対応するため、クレーン吊り上げ能力の増強などの設計変更を経て、2023年4月に完成しました。建造は国内の気象・海象条件を熟知したジャパン マリンユナイテッド社が基本設計から建造までを一貫して行い、日本特有の建設条件に幅広く対応したSEPとなっています。

林組と東亜建設工業は、日本国内における洋上風力発電の導入拡大を通じて脱炭素社会の実現に貢献していきます。

完成したSEPの概要
■船名:柏鶴(はっかく)
※船名の由来:「柏」は、大林組の旧社章に用いられた意匠(創業者の家紋である「丸に土佐柏」)に由来。 「鶴」は、東亜建設工業の発祥の地「鶴見」と創業者三名を表すシンボルマーク「三羽鶴」に由来。

■主な特長:

1.大型化する洋上風力発電設備の建設に対応
風車基礎から風車組み立てまで対応可能な1,250t吊りジブクレーンを装備
 
2.2系統の位置決めが可能
ダイナミックポジショニングシステム(DPS)と操船ウインチを装備し、現場条件に合わせた船体の位置決め方法を選択可能
 
3.環境負荷の低減
IMO排ガス2次規制のNOx排出基準に準拠
 
4.施工情報の見える化
施工情報を3Dで可視化し、船の動きをリアルタイムに関係者で共有可能
 
5.洋上風力発電付帯工事や通常の港湾工事にも対応
風車メンテナンスや地盤調査用の作業台船として使用可能

■SEP仕様一覧

【主要目】
 設計・建造ジャパンマリンユナイテッド
 建造年月2023/04/01
 船級NK
 航行区域沿海
 
【船体寸法】
 長さ × 幅 × 深さ88 × 40 × 7(m)
 喫水4.6(※1) / 6.6(※2)(m)
 メインデッキエリア2,000m²
 デッキロード10t/m²(一部20t/m²)
 
【レグ】
 レグ本数角型4本
 長さ約63m(※3)
 
【最大搭載能力】
約4,800t
 
【居住区】
54名
 
【DPSシステム】
 システムDP1
 スラスター1,400kW × 4基
 
【クレーン】
 主クレーン1,250t × 18.5m
 
【環境性能】
IMO2次規制適合
 
【操船ウインチ】
50t × 4基

※1水線面から船体底部まで
※2水線面からスパッドカン底部まで
※370mまで延長可能


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