伊藤忠ほか、九州北部で水素地産地消モデル事業を構築へ

伊藤忠

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久)は、日本コークス工業株式会社 (本社:東京都江東区、代表取締役社長:鹿毛和哉)と、ベルギー最大手の総合海運会社であるCompagnie Maritime Belge B.V. (本社:Belgium Antwerp CEO:Alexander Saverys、以下「CMB」)と、九州北部での水素地産地消モデル事業に関する共同事業化調査を実施することに合意したことを発表しました。

同プロジェクトは脱炭素化社会実現の一助となるべく、日本コークスの副生水素と、CMBの水素エンジンを柱に、九州北部で水素の需要と供給双方の創出を行い、早期の地産地消型のサプライチェーンの構築を目指すプロジェクトです。

日本のグリーン成長戦略において、水素はカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして挙げられており、特に船舶業界においては、水素・アンモニアを直接燃焼出来るエンジンの実用化が喫緊の課題と位置付けられています(※)。水素エンジンは他の水素動力源に比べて高出力であり、またライフサイクルコストが極めて経済的であるという特徴があるため、早期の社会実装が期待されています。

伊藤忠商事は、長年に及ぶ一次エネルギーの取扱実績があり、将来的な水素需要家である製鉄会社や電力会社との強固な取引があります。

日本コークスは、国内有数の工業地帯である北九州地域に事業所を持ち、現在はコークス事業から生成される副生ガスから水素の分離は行っていないものの、同地域内での水素需要次第で、安定的な水素供給が可能です。

また、CMBは今年で東京支社開設40周年となり、現在まで日本国内の造船所、荷主、船主等と深くビジネス展開をしています。同社は世界初となる船舶用の水素混焼エンジンを開発し、2017年から既に欧州で実証運航を行い、本年4月には瀬戸内地域において同エンジンを搭載した旅客船の商業運航開始を予定しています。

今後3社は本事業化調査を通じて、九州北部地域における水素需要の見極めや、関連する政府許認可取得を行ったのちに、2023年度には水素サプライチェーンの始動を目指します。

伊藤忠商事は国内外におけるネットワーク活用し、同プロジェクトの早期実現、他地域への展開を進めます。さらに各地域に根差した水素地産地消モデルによって創出された実需をベースに、海外での大型水素生産プロジェクト参画も目指します。これらの取り組みを通じて、次期中期経営計画の基本方針である、『「SDGs」への貢献と取組強化』を着実に実行します。

※経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」より



日本コークス北九州事業所 地図
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