【ENEOS】
ENEOS(社長:大田 勝幸)は、CO2フリー水素サプライチェーンの構築に向け、同社製油所の石油精製装置において、水素のキャリアである有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(MCH)※1 から水素を取り出し(脱水素)、利用する実証を開始すると発表しました。
石油精製の既存装置を使用したMCHの脱水素は、国内初の取り組みです。また、本実証で使用するMCHの調達については、「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(千代田化工建設、日本郵船、三菱商事、三井物産で構成、以下「AHEAD」)」と売買基本契約を締結しました。AHEADはブルネイ・ダルサラーム国において未利用エネルギー由来の水素からMCHを製造します。※2
なお、本実証は、石油供給構造高度化事業コンソーシアム(CROS)が実施する、令和3年度予算「石油コンビナートの生産性向上及び強靭化推進事業(石油コンビナートの立地基盤整備支援事業)」技術実証支援事業※3 に採択されました。
ENEOSは脱炭素に向けた本格的な水素の大量消費社会を見据えて、国内外でCO2フリー水素サプライチェーン構築に取り組んでいます。製油所は、沿岸部に立地し大型船が停泊できる桟橋を保有していること、近隣に発電所、製鉄所、化学プラントなどの大規模水素需要家がいることから、海外で製造されたCO2フリー水素の供給拠点となる高いポテンシャルを有しています。製油所の既存設備を活用してMCHから水素を取り出すプロセスの実証は大きな新規設備投資を必要としないことから、将来のCO2フリー水素サプライチェーンの構築・拡大において重要な意味を持つものと考えています。
本実証は、川崎製油所をはじめとする当社の3製油所を候補地として、海外で製造されたMCHの受け入れから、石油精製の既存装置を活用した水素の製造・利用までの一連のプロセスを検証するものです。脱水素機能を有する石油精製装置にMCHを投入し、装置稼働への影響を把握することでMCH使用可能量などを検討します。また、MCHから製造した水素は石油製品の脱硫などに利用します。
ENEOSは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」および目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成につながる本実証などを通じて、CO2フリー水素サプライチェーンを構築し、低炭素エネルギーの安定効率供給に取り組みます。
※1 水素ガスの500分の1の容積で常温常圧の液体。貯蔵や輸送など取り扱いが容易なことが特徴。
※2 MCH製造にあたって、AHEADは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業で使用した装置を使用。
※3 石油コンビナートの生産性向上に向けた構造改善や製油所のグリーン化に向けた取り組みに要する費用を補助するもの。
概 要 | MCHの受け入れから水素の製造・利用について、製油所で実稼働している設備を活用する一連のプロセスを実証する。 |
実証候補地 | 川崎製油所、和歌山製油所、水島製油所 |
主な実証内容 | ・ケミカルタンカーを使用したMCHの受入 ・脱水素機能がある石油精製装置へのMCH投入 ・MCH投入によるトルエン回収装置への影響 |
実証期間 | 2023年度末まで(予定) |
正式名称 | 次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合 |
設 立 | 2017年7月3日 |
代表者 | 理事長 森本孝和 |
所在地 | 横浜市西区みなとみらい四丁目6番2号 みなとみらいグランドセントラルタワー 千代田化工建設株式会社内 |
事業内容 | 本組合は、有機ケミカルハイドライド法を利用して、海外に賦存する未利用エネルギーを安定的に日本に輸送し日本国内に安定的に供給する水素サプライチェーンの試験研究及び実用化を図るため、次の事業を行う。 1. サプライチェーンを設計・構築・運用する為のノウハウ・知見の蓄積と、商業ベースのサプライチェーン全体の最適設計を検討 2. 水素サプライチェーンの実証運用を通じ、商業ベースのサプライチェーンに類似した環境において、設備の耐久性・可用性の検証を行うこと。 3. 水素サプライチェーンの実証運用を通じ、海外からの安定的な水素供給の実効性を確認すること。 |

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