ENEOS・北海道電力など、「北海道大規模グリーン水素サプライチェーン構築調査事業」がNEDO事業で採択

ENEOS・北海道電力など、「北海道大規模グリーン水素サプライチェーン構築調査事業」がNEDO事業で採択

ENEOS株式会社、北海道電力株式会社、JFEエンジニアリング株式会社、北海道電力ネットワーク株式会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の5社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が公募した「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」に対して、「北海道大規模グリーン水素サプライチェーン構築調査事業(以下「本調査事業」)」を提案し、採択されたと発表しました。

北海道は、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(以下「再エネ」)資源が豊富である一方で、本州との電力融通量に制限があり道内の電力需要が比較的小規模であることから、再エネ電力導入拡大にあたり、余剰となる電力の有効利用や再エネ電源の出力変動に対応するための調整力の確保などが課題となります。それらの課題を解決するため、水素の製造量を変化させることで電力負荷の調整が可能となる水電解装置の活用が有効な手段として期待されています。

5社は、北海道において大規模なグリーン水素サプライチェーンを構築するべく、本調査事業を行います。具体的には、北海道苫小牧地域に国内最大規模となる年間約1万トン(燃料電池自動車充填約200万回分)規模のグリーン水素を製造する水電解装置(100MW級)を導入した場合における国産グリーン水素サプライチェーン構築の可能性を調査するとともに、余剰電力の有効利用や調整力としての活用に向けた検討を行います。

加えて、電力制御システムとして「水電解型次世代電力マネジメントシステム」の適用に向けた検討も進めます。同システムは、電力市場価格や需給状況などを見極め、水電解装置とリユース蓄電池を最適に制御しながら、北海道の再エネ余剰電力を有効に活用することで、水素製造コストの低減を図ります。

同調査事業後は、2030年までに実機での技術実証を完了の上、国産グリーン水素サプライチェーンの社会実装・事業化を目指します。将来的には、洋上風力の導入拡大に伴う電源能力の増加に応じて、グリーン水素の道外供給事業についても検討します。

5社は、それぞれが保有する知見を活かし、価格競争力を持つ国内最大規模のグリーン水素サプライチェーンの社会実装を通じて、再エネ電力の導入拡大および電化が困難な産業・運輸分野の脱炭素化を進め、カーボンニュートラル社会の実現や、エネルギー自給率の向上に貢献します。

<本調査事業の概要>
◆採択テーマ
 北海道大規模グリーン水素サプライチェーン構築調査事業

◆対象エリア
 苫小牧市を中心とする北海道エリア

◆主な調査内容
 ・グリーン水素製造・輸送・利用の事業モデル構築と事業性評価
 ・水電解装置・リユース蓄電池仕様の検討
 ・水電解型次世代電力マネジメントシステム仕様の検討
 ・再エネ電力導入量、利用可能電力量及び系統への影響の調査
 ・苫小牧地域及びその周辺地域における水素需要ポテンシャル調査

◆調査期間
 2022年10月~2023年9月(予定)

◆参画企業と主な役割

【ENEOS株式会社(代表事業者)】
 ・グリーン水素製造・輸送・利用の事業モデル構築と事業性評価
 ・水電解型次世代電力マネジメントシステム仕様の検討
 ・苫小牧地域及びその周辺地域における水素需要ポテンシャル調査

【北海道電力株式会社】
 ・グリーン水素製造の事業モデル構築と事業性評価
 ・水電解型次世代電力マネジメントシステム仕様の検討
 ・再エネ電力導入量、利用可能電力量及び系統への影響の調査
 ・苫小牧地域及びその周辺地域における水素需要ポテンシャル調査

【JFEエンジニアリング株式会社】
 ・リユース蓄電池の仕様確認と安全規格の調査
 ・リユース蓄電池によるシステム構築への課題抽出

【北海道電力ネットワーク株式会社】
 ・水電解型次世代電力マネジメントシステム仕様の検討のうち、
  電力系統との協調制御に関わる検討
 ・再エネ電力導入量、利用可能電力量及び系統への影響の調査

【デロイト トーマツ コンサルティング合同会社】
 ・プロジェクト管理
 ・グリーン水素製造・輸送・利用の事業モデル構築と事業性評価

NEDOホームページ https://www.nedo.go.jp/koubo/SE3_100001_00028.html


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