商船三井、国内初のアンモニア燃料供給船・設計基本承認を取得

商船三井・アンモニア燃料供給船

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区)は、伊藤忠商事株式会社(代表取締役社長COO:石井敬太、本社:東京都港区)と共同で、米国船級協会(American Bureau of Shipping)より、アンモニア燃料供給船の設計に関する基本承認(AIP;Approval in Principle)を取得したと発表しました。アンモニア燃料供給船の設計基本承認の取得は、本邦初となります。

同件はシンガポールにおける舶用アンモニア燃料サプライチェーンの共同開発の一環であり、LNG燃料供給船の建造・保有の経験と知識を有した当社が主体となって、シンガポールにおけるLNG燃料供給事業の実績を有するパートナーであるTotalEnergies Marine Fuels Pte. Ltd.や Pavilion Energy Singapore Pte. Ltd.と共に取り組みました。

AIPを取得したアンモニア燃料供給船は、商船三井および伊藤忠商事がSembcorp Marine Integrated Yard Pte. Ltd.と共同設計した上で、AIPの取得に先立ちABS Consulting (S) Pte Ltdによるリスクアセスメント(HAZID;Hazard Identification Study(※)をシンガポールのパートナーと共に実施し、アンモニアが有する毒性等を十分考慮した安全対策を織り込んだ仕様となっています。

アンモニア焚きエンジンは、国内外メーカーによる開発が進められており、早ければ2020年代後半よりアンモニア燃料船が竣工する見通しとなっています。商船三井などが共同開発したアンモニア燃料供給船は、シンガポールにおいて、それらアンモニア燃料船へ燃料供給することを目指しています。

アンモニアは、燃焼時に二酸化炭素を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして注目されています。同社も「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」で掲げる2020年代中のネットゼロ・エミッション外航船の運航開始、および2050年までのネットゼロ・エミッション達成に向け、アンモニア燃料船の開発やアンモニア輸送事業に取り組んでいます。一方で、他船にアンモニア燃料を供給するアンモニア燃料供給船の開発や、アンモニアサプライチェーンの構築に向けた取り組み等を通じて、同社事業のみならず、社会の温室効果ガス削減にも貢献します。


※HAZID(Hazard Identification Study): システムの潜在的危険についてその危険の大きさと発生頻度を専門家間で討議し、システム全体として十分な安全性を持つようにするリスク評価・管理手法。

証書授与式の様子
証書授与式の様子

(左から)商船三井 燃料部 プロジェクトリーダー 田口 真一 氏、ABS 日本営業開発 ディレクター 大庭 亮 氏、商船三井 技術部長 杉本 義彦 氏、伊藤忠商事 船舶海洋部 アンモニア燃料船開発担当部長 赤松 健雄 氏

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