関西電力など、EV等の充放電を遠隔制御・電力市場価格に連動の実証を開始

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関西電力株式会社、出光興産株式会社、住友電気工業株式会社は、卸電力市場価格に連動したEVおよびPHEV(「EV等」)の充放電に関する遠隔制御実証を開始したことを発表しました。

3社は、参画する「関西VPPプロジェクト」※1において、VPPの構築や事業化のため、2016年度から一般家庭のお客さまのEV等をエネルギーリソースとして活用する取り組みを行ってきました。

昨年度は、卸電力市場価格と連動した時間帯別のダイナミックプライシング※2(「DP」)料金メニューに基づき、市場価格の安い時間帯に、EV等を遠隔制御で充電する実証を行いました※3。その結果、充電時間の移行、遠隔制御の技術的知見の蓄積、ご家庭の充電料金の抑制等、一定の成果を得ています。

本年度は、昨年末から今年1月にかけて需給ひっ迫に伴い市場価格が高騰したことを踏まえ、あらかじめEV等に貯めた電力を主に卸電力市場価格が高くなる時間帯に、遠隔制御で住居に放電してご家庭の電力をまかない、需給バランスの 調整機能の一部として活用できるかを実証します※4

また、昨年度に引き続き、市場価格が安い時間帯での遠隔制御充電の実証を合わせて行い、充放電に活用した場合でもEV等の走行に支障を来さない運用の可否も検証します。

本実証を通じ、EV等のリソースが持つ電力需給バランスの調整機能に関する可能性をさらに追求し、EVや再生可能エネルギー等の普及によるゼロカーボン社会の実現と、電力の安定供給に貢献します。


※1:関西電力を中心とするVPP実証コンソーシアム。VPPはバーチャルパワープラントを指し、工場やご家庭等のお客さまが保有するリソースを事業者が統合的に制御し、電力の需給バランス調整に活用するもので、あたかも一つの発電所のように機能する仕組み。仮想発電所と呼ばれる。

※2:商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略。本実証では、日本卸電力取引所で取引されている卸電力市場価格と連携する。

※3:昨年度の実証詳細(https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2020/0601_2j.html)

※4:経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「令和3年度蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(再生可能エネルギー発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業)」を活用した取り組み。



◆ 本実証の概要 ◆
名 称 卸電力市場価格に連動する電気料金に基づいた電気自動車の充放電遠隔制御実証
実証期間 2021年12月6日~2022年1月30日(予定)
実施者 関西電力株式会社、出光興産株式会社、住友電気工業株式会社
主な内容 ①国内の電力需給ひっ迫が懸念される緊急時を想定したEV等からの住居への放電の実施
(目的)夏季・冬季の電力供給力不足懸念時において、EV等をお 客さまの住居への供給力に活用いただけるかを実証する。
②1日の中で卸電力価格が高い時間帯でのEV等から住居への放電の実施
(目的)需給バランスの調整機能の一部として活用できるかを実証する。
各社役割 (関西電力株式会社)
リソースアグリゲーター、DP料金メニューに基づいたEVの充放電遠隔制御の検討
(出光興産株式会社)
実証協力事業者、実証で用いるDP料金メニュー作成
(住友電気工業株式会社)
実証協力事業者、サーバおよびスマートフォンアプリの開発


昨年度と今年度の実証の違い
昨年度と今年度の実証の違い


本実証のイメージ
本実証のイメージ

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