清水建設、相ノ又谷(あいのまただに)水力発電所を開所

相ノ又谷(あいのまただに)水力発電所

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、再生可能エネルギー発電事業の一環として、日本小水力発電(株)とNES(株)と共同で開発した小水力発電施設「相あいノの又また谷だに水力発電所」の営業運転を本年5月1日に開始し、6月22日に開所式を行ったことを発表しました。総開発費は約16億円です。

相ノ又谷水力発電所は、富山県北東部の朝日小川ダム上流の谷あいに位置する流れ込み式の小水力発電施設です。川沿いの林道に全長約1.6km・管径800mmの水圧管路を埋設してこの水路に川の水を流し込み、水車を回転させることで発電を行います。最大使用流量1m3/s・有効落差114m・最大出力961kW、年間の想定発電量は6.24百万kWhです。発電した電力は今後20年間にわたりFITによる固定価格で売電し、年間売電収入は約1億8千万円を見込んでいます。

清水建設は2016年12月、小水力発電事業への参入を目指し、事業実績が豊富な日本小水力発電(株)とNES(株)と共同で事業化検討に着手。全国に多数ある候補地の中から水資源が豊富な富山県に着目し、年間を通して安定した水量の確保が期待できる朝日町での発電所開発を決定しました。17年12月には3社の共同出資による事業会社「水の国電力株式会社」を設立。以後、同社を介して小水力発電所建設に向けた開発申請業務等の準備を進め、19年8月に開発工事に着手しました。

脱炭素社会の実現に向け、社会全体で再生可能エネルギーの導入機運が高まるなか、小水力発電は、季節や天候、昼夜を問わず安定供給が可能な再エネ電源として期待されています。他の再エネ電力と比べて少額の投資で事業化でき、開発時に周辺環境や生態系に及ぼす負荷が少ないという利点もあることから、同社は引き続き、事業化を推進していく考えです。

今後、富山県内を含め5~6県の計10数か所で小水力発電開発に取り組み、2030年までに総発電能力1万kW、総売上20億円の事業体制構築を目指します。また、地方自治体との共同開発スキームや、地域エネルギー資源の活用に伴う地域貢献スキームの開発も同時に進めていく考えです。



相ノ又谷(あいのまただに)水力発電所
水圧管路の取水部分


◆ 水の国電力株式会社 ◆
所在地 東京都中央区京橋2-16-1
資本金 5,000万円
※出資比率
 51%・・・清水建設(株)
 45%・・・日本小水力発電(株)
  4%・・・NES(株)
社 長 関口猛(清水建設(株)常務執行役員LCV事業本部副本部長)
設 立 2017年12月
事業内容 小水力発電事業に関する検討、売電、点検など

◆ 日本小水力発電(株) ◆
所在地 山梨県北杜市大泉町谷戸3905番地
資本金 3,000万円
社 長 半田宏文
設 立 2002年1月
事業内容 小水力発電システムの設計・施工・販売・アフターサービス、既存設備のリプレース

◆ NES(株) ◆
所在地 富山県富山市五福末広町1033 NES21ビル
資本金 4,400万円
社 長 成川和彦
設 立 1970年5月
事業内容 情報・通信・制御のソリューションサービス

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