中国電力、「完全自立型EVシェアリングステーション」実証事業を開始

完全自立型EVシェアリングステーション

中国電力は、広島県の協力のもと、環境省が提唱する”ゼロカーボン・ドライブ※1 を実現する「完全自立型EVシェアリングステーション」の実証事業を開始すると発表しました。

同事業は、電力系統から完全に分離・独立したソーラーカーポートと蓄電・制御システムを一体化し、太陽光発電電力のみで運用するEVステーションに、カーシェアリングサービスを組み合わせた、世界初の取り組みとなります。

脱炭素社会の実現にあたり、重点分野の一つとして、運輸部門における、EV普及に向けた取り組みが進められているところですが、普及に際しては、EV車両や電気工事などの導入コストの課題を解決する必要があります。

同社は、本事業を車両の電動化と使用電力の脱炭素化を同時達成するモデル事業として、EVステーションを広島県立広島産業会館に設置し、課題の洗い出しなどを進めていくとともに、複数法人および周辺住民によるカーシェアの仕組みを活用することで、導入コストの低減を図ります。

今後、この「完全自立型EVシェアリングステーション」を活用していくことで、電力系統からの電力供給が困難な場所や電気工事の施工費用が高額となる場所などにおいても、EV導入の選択肢の拡大を推し進めます。

同社は、エネルギー供給を通じた脱炭素社会の実現と、カーボンニュートラルへの挑戦を通じた地域の発展に向け、再生可能エネルギーやEVの活用を目指すお客さまニーズに幅広くお応えできるよう、更なるサービスの開発・向上に取り組みます。

(※1)太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って発電した電力とEV等を組み合わせることにより、走行時のCO2排出量がゼロで自動車を走らせること。


【実証事業の概要】
1.実施期間
 2022年4月から5年間程度(予定)

2.実施場所
 広島県立広島産業会館(広島市南区比治山本町12-18)

3.実証内容

  • 電力系統から分離・独立したソーラーカーポートと蓄電・制御システムを組み合わせ、太陽光発電電力のみで運用するEVステーションシステムの運用・検証

  • 複数法人と周辺住民によるEVシェアリングサービスシステムの運用・検証

  • 電力系統から完全に分離・独立したソーラーカーポートの商品化検討



◆ 関係者・役割分担 ◆
関係者 役割分担
中国電力株式会社 ・実証事業の企画・運用
広島県 ・完全自立型EVシェアリングステーションの構築
・EVシェアリングサービス「eeV」の提供
・実施場所の提供
パナソニック株式会社 ・実証事業への参画(EVシェアリングの法人利用)
・EV普及推進に向けた政策展開
・ソーラーカーポートの開発・提供
・実証事業への協力
・オフグリッド型蓄電・制御システムの開発・提供
AZAPA株式会社 ・可搬型蓄電池システムの開発・提供
・エネルギーとモビリティの融合による社会実装の検討・展開


◆ 設備構成 ◆
設備 容量等
ソーラーカーポート 太陽光パネル 11.88kW
蓄電池 容量合計38kWh(10kWh×3基、8kWh※2×1基)
EV 日産リーフ 1台(蓄電池容量40kWh)
MAZDA MX-30 EV MODEL 1台(調整中)
制御システム 太陽光発電状況やEV待機状況に応じた蓄電池の充放電制御
非常用コンセント 8口(4kW)

(※2)可搬型蓄電池システムは、バッテリーモジュール1kWh×8個で構成。

中国電力のホームページへ



【過去記事】 配送NW|送配電


【最新記事】 配送NW|送配電