中部電力、カナダの地熱技術開発企業「Eavor(エバー)社」と株式引受契約を締結

中部電力、カナダの地熱技術開発企業「Eavor(エバー)社」と株式引受契約を締結

中部電力は、中部電力100%子会社Chubu Electric Power Company Netherlands B.V.を通じて、カナダの地熱技術開発企業であるEavor Technologies Inc.と同社の株式引受契約を締結したと発表しました。今後、諸手続を経たうえで、近日中にEavor社の株式を取得する見込みです。

中部電力が海外で地熱エネルギー関連企業に出資するのは初めてです。

Eavor社は、世界に先駆けてクローズドループ地熱利用技術(注)の研究・開発を行い、商業化を目指すカナダのグローバルスタートアップ企業です。

同技術は、地下にループを設置し、内部に水を循環させることで、地下の熱水や蒸気が十分に得られない地域でも効率的に熱を取り出すことが可能であることから、幅広いエリアでの開発が可能であり、また、掘削後に地下の熱水や蒸気の不足により開発が中止となるリスクを回避できることが特長です。

加えて、同技術を活用した発電は、ベースロード運転だけではなく、低需要時に地下に蓄熱し、高需要時に蓄熱したエネルギーを電力に変換する負荷追従型の調整力電源としての機能も備えています。これらのことから、将来的にエネルギー業界のゲームチェンジャーとなることが期待されています。

中部電力はEavor社への出資を通じて、地熱事業に関する知見の獲得やEavor社が海外で取り組むプロジェクトへの出資参画機会の拡大を模索すると共に、今後、本技術の国内展開も検討していきたいと考えています。

中部電力は、グローバル事業において、再生可能エネルギーを中心としたグリーン領域、脱炭素に関するブルー領域、小売・送配電・新サービス領域および新技術領域の4領域を最適に組み合わせることで、脱炭素社会の実現に貢献するとともに、さらなる収益拡大に取り組みます。

(注)地下にループを形成し、地上から水などを循環させることで地下の熱を回収する技術。Eavor社は地上と地下約数千メートルをつなぐ網目状のループを掘削し、その中で水を循環させることで水を介して地下の熱を取り出す方式を採用(詳細は別紙参照)。Eavor社は本技術の適用に必要な掘削デザイン・坑壁保護剤・制御技術などに関する特許を多数保有しており、2019-2020年にカナダ・アルバータ州において、本技術の実証試験を成功させている。



Eavor社の概要およびクローズドループ地熱利用技術

1 Eavor社の概要

会社名  : Eavor Technologies Inc.(https://www.eavor.com/
本社所在地: カナダ・アルバータ州カルガリー
創立   : 2017年
事業内容 : クローズドループ地熱利用技術の研究・開発、案件組成、サービス提供
代表者  : John Redfern(President & CEO)
出資者  : Vickers Venture Partners、bp ventures、Temasek、Chevron Technology Ventures、BHP Ventures、BDC Capital 他

2 Eavor社のクローズドループ地熱利用技術

地上と地下約数千メートルをつなぐ網目状のループを掘削し、その中で水を循環させることで水を介して地下の熱を取り出す地熱利用技術。

中部電力、カナダの地熱技術開発企業「Eavor(エバー)社」と株式引受契約を締結

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