ENEOS・JERA・JFEの3社、京浜臨海部を拠点とした水素・アンモニア供給事業の協業検討を開始

京浜臨海部 航空写真(川崎市提供)

ENEOS株式会社、株式会社JERA、JFEホールディングス株式会社の3社は、覚書を締結し、神奈川県京浜臨海部において、水素・アンモニアの受入拠点およびサプライチェーンを構築し、供給事業を展開する可能性について具体的な検討を開始したと発表しました。

水素やアンモニアは、燃焼時にCO2を排出しない次世代クリーン燃料として実用化に向けた技術開発が進められています。また、発電所や工業地帯等での大量消費が想定されるため、その需要地近傍において、大規模な受入・供給拠点の整備が不可欠です。

需要規模の大きな関東エリアの中心に位置する京浜臨海部において、ENEOSは製油所・製造所を、JERAは火力発電所やLNG基地を所有し、エネルギー供給事業を展開しています。また、JFEは、事業会社であるJFEスチール株式会社東日本製鉄所 (京浜地区)の高炉等設備休止後の土地利用転換を川崎市と共同で検討しており、扇島に有する大型船が着岸可能な大水深岸壁および後背地の活用についても検討しています。

3社は、同区域におけるこれらの事業基盤を活かし、水素・アンモニアの供給事業について以下の項目の協業を検討することとしました。

◆ 水素・アンモニアの受入・供給拠点の整備
◆ 水素・アンモニアの供給ネットワークの構築
◆ 水素・アンモニアの調達先、輸送キャリア、輸送方法

ENEOSは、 ENEOSグループ長期ビジョン」において2040年のありたい姿として低炭素・循環型社会への貢献を掲げており、水素・アンモニアの中でも、特に水素の大量消費社会を見据えた取り組みを加速しています。FCV等のモビリテ ィ向けの水素ステーション事業に加え、CO2フリー水素のサプライチェーン構築に取り組んでおり、今回の枠組みにおいても、海外で製造したCO2フリー水素の受入拠点および近隣の大規模水素需要家への供給拠点を整備することを検討します。

JERAは JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦しています。火力発電についてはよりクリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション火力 を追求しています。今後とも、主体的に脱炭素技術の開発に取り組むとともに、経済合理性を確保すべく努力を重ねていくことで、エネルギーの脱炭素化に貢献します。

JFEは、 JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、自社のCO2排出量削減と、事業を通じた社会全体のCO2排出削減への貢献を両輪として、2050年カーボンニュートラルの実現を目指しています。京浜臨海部においては、JF Eスチール株式会社東日本製鉄所(京浜地区)の土地利用転換にあたり、扇島の立地ポテンシャルを活かして、グループ全体で水素・アンモニア等脱炭素燃料のサプライチェーンの構築に貢献し、首都圏のゼロカーボン社会実現に向けて先導的な役割を担っていきます。

3社は、これまで培ってきた技術、知見および保有資産を活用することで、カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素燃料の安定的かつ経済的なサプライチェーンの構築に貢献します。

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